上記のような疑問を持つ人に向けて、この記事では6年間製造業に身を置き、製造業で独立した私が工場勤務のありのままを正直に語ります。
この記事を読めば工場勤務の業務内容やイメージ、工場勤務が向いている人や工場勤務のメリットなど、工場勤務の実態がわかります。
工場勤務は誰にでもできる仕事と思われている節がありますが、実は適性があり、誰にでも向いている仕事とは言えません。
あらいこの記事を読んでいるあなたは工場勤務に興味があるか、すでに働いており、工場勤務に思うところがあるのだと思います。工場勤務の実態を知りたいのであれば、ぜひ読み進めてください。
- 加工食品の製造を生業にする職人
- 小売業→加工食品卸売業→加工食品製造業と2度の転職を経験
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工場勤務とは
工場勤務とは製品を製造し、製品検査後に梱包し出荷する業務に勤めることです。
入社後にいずれかの業務を担当することになり、従業員で協力して製品を造ります。
業界は多岐にわたり、自動車や半導体、電子機器、食品などがあり、扱う製品により業務内容が異なります。
そのため工場に勤める場合は、自分の適性に合う工場を選ぶことが大切と言えるでしょう。
まずは「工場勤務の業務内容」について見ていきましょう。
工場勤務の業務内容9つ
工場勤務の代表的な業務は、次の9つです。
製造
製造は製品を造り上げる業務で、業界や製品により、作業内容はさまざまです。
あらい私が勤めていた加工食品工場では、原料を選別・整形・加工して、製品に仕上げていました。
自動車工場では部品を加工し、組み立てて、自動車を作り上げています。
このように製造は業界・製品により、作業内容が異なります。
工場勤務を考えるときは、自分との相性を確認するためにも、その工場の製品はなにか、作業内容はどんなことをしているかチェックすることをおすすめします。
検品
検品は製造された製品の不良や、異物混入をチェックする業務です。
不良品や異物混入のある製品を出荷してしまうと、取引先に迷惑がかかり、今後の取引に影響してしまいます。
そのため検品には製品不良や異物混入を、漏れなくチェックする集中力が求められます。
梱包
製品を箱に入れ・包装する業務です。
出荷する場合は配送に耐えうるように、ダンボールや緩衝材を用いて荷造りします。
あらい私が勤めていた加工食品工場では、賞味期限シールを貼る作業もあり、日付を間違えないように注意が必要でした。
梱包は単純作業ではありますが、集中力を要する業務と言えます。
ピッキング
ピッキングは注文書や指示書をもとに、保管された製品や部品、材料を取り出し、指定された場所へ運ぶ業務です。
製品や部品、材料が重量物の場合もあり、体力が必要となることもあります。
あらい私が勤めていた加工食品工場では、原料が数十キロあったため、原料を集めるのも一苦労していました。
また間違えて製品や部品、材料を取り出してしまうと、会社全体の業務にも影響してしまうため、ミスをしない集中力も必要と言えます。
ピッキングは単純作業ではありますが、体力と集中力が求められる業務です。
運搬
運搬はおもにフォークリフトを使って、原料や部品、資材を指定場所へ運ぶ業務です。
フォークリフトを使っての運搬は、とくに大手工場に必要となるので、フォークリフトの資格を取得しておくと、大手工場への転職や就職に有利になります。
フォークリフトの免許は合格率90%、最短2日、最長でも5日で取得できる国家資格です。
また18歳以上であれば、誰でも受験できます。
清掃洗浄
清掃洗浄は工場や機械を清潔にし、細菌や汚れ、異物の付着や混入を防ぐことが目的の業務です。
検品で異物混入に気をつけても、製品を製造する場所が清潔にされていなければ本末転倒と言えます。
清掃洗浄する箇所は天井や壁、床など多岐にわたるため、体力を要し、楽な作業ではありません。
清掃洗浄には、それなりの体力が必要と言えます。
あらい私が勤めていた加工食品工場は小規模ではありましたが、工場の面積が広かったため、清掃洗浄に数日を要することもありました。
設計開発
設計開発は顧客のニーズから試作品を作り、試作品から設計図を作ることで製品化する業務です。
たとえば自動車業界であれば、新車を製品化する際に必要となる業務です。
専門知識や専門技術が求められ、市場価値を高められる業務といえます。
プロジェクトを遂行する責任も伴いますが、自分が手掛けたモノが製品化される喜びも味わえる業務と言えます。
設備管理
設備管理は工場の機械のメンテナンスをする業務です。
専門知識や専門技術を求められるため、市場価値を高められる業務と言えます。
設備管理に関係する資格は、電気工事士や機械保全技能士です。
これらの資格を持っていると、キャリアアップや転職に有利に働きます。
事務
工場の事務は、一般企業の事務と変わりません。
パソコンでのデータ入力や、各種伝票の作成がおもな業務です。
そのためWordやExelといったオフィスソフトの操作経験や、事務の経験が求められます。
この章では「工場勤務の業務」についてお伝えしました。
つづいては「工場勤務のイメージ」について解説します。
工場勤務のイメージ6つ
現代の工場勤務のイメージは業務の効率化や労働環境の改善、安全性の向上により、昔に比べより良くなっています。
ですが、まだまだ工場には3K（きつい・汚い・危険）といった負のイメージがあるのも事実です。
この章では工場勤務にある負のイメージについて解説します。
イメージ①：工場勤務は末路
「工場勤務は末路」といったイメージがあるのは、残念ですが、事実であると考えています。
工場勤務が末路と言われる理由に「スキルが身につきづらい」や「怪我や体調を崩しやすい」「精神的に病む」といったものが見受けられるからです。
あらい私は工場勤務で運良くスキルを身につけられましたが、怪我をしたり、パワハラにより精神的に追い詰められたりした経験があります。
工場勤務の末路に関して、詳しくは次の記事をご覧ください。
工場勤務にはどんな末路があるのか、工場勤務で末路を迎えないための対処法について解説しています。
イメージ②：工場勤務は底辺
「職業に貴賎なし」と言われますが、工場勤務が底辺といったイメージを持たれているのは事実であると考えています。
工場勤務に底辺のイメージがあるのは、工場の採用基準の低さや単純作業、3Kのイメージがあるからです。
私は6年間、加工食品工場に勤務しましたが、底辺と感じたことはありません。
あらい私が工場勤務を底辺と感じなかったのは、工場勤務でスキルを身につけられたからであると考えています。
詳しくは次の記事をご覧ください。
工場勤務が底辺ではない理由や、工場勤務が底辺といったイメージを持たれる理由について解説しています。
イメージ③：工場勤務は地獄
工場勤務を地獄と感じるかは、人間関係や工場業務と、働く人との相性で決まります。
働く工場との相性によっては、工場勤務を地獄と感じてしまうでしょう。
あらい私の場合は上司のパワハラにより、工場勤務を地獄と感じていました。
工場勤務の実態を知ることで、工場勤務を地獄にしなくて済みます。
次の記事では、工場勤務を地獄と感じる理由や、工場勤務の地獄から抜け出す方法を解説しています。
イメージ④：工場勤務は終わっている
工場勤務に終わっているイメージを持つ人は多いと考えています。
評価されにくい、パワハラがある、単純作業の繰り返しといった理由があるからです。
次の記事では、6年間の工場勤務で私が「工場勤務が終わってると思った理由」や「工場勤務が終わってると思ったときに取るべき行動」について解説しています。
イメージ⑤：工場を辞める人が多い
工場を辞める人が多いイメージがあるのは、事実であると考えています。
実際、製造業では1日に2,000人以上の人が退職しています。
次の記事では「工場勤務を辞める人に多い理由」や「辞める人が多い工場の特徴」が知れて、工場を辞めたいと思ったときの対処法がわかります。
イメージ⑥：工場に転職した結果どうなる？
工場に転職するとメリットだけでなく、デメリットもあることに気づくと思います。
あらい私の場合は工場勤務で加工技術を身につけられたことが大きなメリットでした。一方で、ハードな肉体労働をデメリットと感じたこともあります。
次の記事では、工場に転職した結果わかったメリット・デメリット、工場勤務をデメリットと感じた場合の対処法について解説しています。
この章では「工場勤務のイメージ」についてお伝えしました。
次章では「工場勤務に向いている人」について解説します。
工場勤務に向いている人3選
1.単純作業への耐性がある人
工場勤務に向いている人として、まず挙げられるのは単純作業への耐性がある人です。
単純作業への耐性がある人は、集中力を維持でき、ミスをすることが少ないからです。
工場のライン作業でミスをしてしまうと、製品の流れが滞ってしまい、業務スケジュールに影響する場合もあります。
単純作業への耐性がある人は、工場勤務への適性があると言えます。
2.集中して作業に取り組める人
集中して作業に取り組める人は、工場勤務に向いていると言えます。
集中して作業に取り組める人は、機械や製品の流れに合わせて作業できるからです。
機械や製品の流れに合わせて作業すること自体は、さほど難しくありません。
あらいですが、私が勤めていた工場にも、機械や製品に合わせて作業できない人が実際にいました。
工場勤務には集中して作業できる人が求められています。
3.体力がある人
体力がある人は工場勤務に向いていると言えるでしょう。
工場勤務の現場では少なからず、肉体労働があるからです。
あらい私が勤めていた加工食品工場では、仕上げた製品を数十キロ単位に袋詰し、手で冷蔵庫に搬入する作業がありました。
私自身も入社したての頃は、正直かなりきつい作業であると感じており、新人の体力を作る登竜門的な作業であったと記憶しています。
工場のすべての職種に体力は必要ではありませんが、工場の現場で働く場合には、体力があるに越したことはありません。
この章では「工場勤務に向いている人」についてお伝えしました。
つづいては「工場勤務のメリット」について解説します。
工場勤務のメリット5つ
メリット①：専門知識や専門スキルが身につく
工場勤務のメリットとして、まず挙げられるのが専門知識や専門技術を身につけられることです。
専門知識や専門技術を身につけることで市場価値が上がり、あなたのキャリアに有利に働きます。
あらい私の場合は6年間加工食品工場に勤務し、加工技術を身につけ、加工食品製造業で独立しました。
ただし大手工場のライン作業のような単純作業では、専門知識や専門技術を身につけることは難しいので、注意が必要です。
メリット②：残業が少ないため時間を有効活用できる
工場勤務では残業が少ないため、時間を有効活用できることがメリットです。
工場はスケジュール管理がしっかりしているため、基本的に急な残業は発生しません。
あらい私が勤めていた工場でも、急な残業や休日出勤は、ほぼありませんでした。
工場勤務のメリットとして、時間を有効活用できることが挙げられます。
メリット③：モノを造る喜びを味わえる
工場勤務のメリットとして、モノを造る喜びを味わえることが挙げられます。
工場の現場では、製品が造られる工程に携われるため、モノを造る喜びを感じられます。
あらい私の場合は原料を選別、整形、加工するといった一連の流れを業務としていたので、仕上がった製品に対して特別な思いがありました。
すべての工場に当てはまるとは言えませんが、工場の現場に携わると、モノを造る喜びを味わえると考えています。
メリット④：転職しやすい
転職しやすいことは、工場勤務のメリットです。
理由は工場への転職や就職のハードルが低いからです。
具体的には未経験OK・学歴不問の求人が多いということが挙げられます。
工場勤務において人の出入りが激しいのは、このためであると考えています。
メリット⑤：貯蓄しやすい
工場勤務のメリットとして、貯蓄しやすいことが挙げられます。
なぜなら工場によっては、生活費を抑えられるからです。
寮や社員食堂がある工場では、かなり生活費を抑えられます。
寮の家賃は、一般的な家賃の10%〜50%で借りられるからです。
工場勤務のメリットは貯蓄しやすいことと言えるでしょう。
この章では「工場勤務のメリット」についてお伝えしました。
次章では「工場勤務が辛いと思うとき」について解説します。
工場勤務が辛いとき5つ
辛いとき①：専門知識や専門技術を身につけられない
工場勤務が辛いと思ったのは、専門知識や専門技術を身につけられないときでした。
あらい人にもよると思いますが、私の場合は専門知識やスキルを身につけられないと自分の成長を感じられず、やりがいを失っていました。
たとえば工場の単純作業では、やりがいを持てず集中力を欠き、ミスすることが多かった記憶があります。
ディップ総合研究所の調査においても、製造職を継続したいとは思わない(辞めたい)理由第1位は「仕事のやりがいがない」（47.1%）で、全体の半数近くを占めています。
辛いとき②：体力を必要とする業務がある
ハードな肉体労働により、工場勤務を辛いと思うときがありました。
あらい私が勤めていた加工食品工場では、仕上がった製品を数十キロ単位にまとめ、冷蔵庫に手で運び入れていました。
そのため慣れない新人にとっては、かなりハードな肉体労働になっていたと思います。
工場のすべての職種に当てはまるわけではありませんが、製造の現場ではある程度の肉体労働はつきものと言えるでしょう。
辛いとき③：単純作業がある
私が工場勤務で「辛いなぁ」と思ったのは、入社当初に任せられた単純作業でした。
あらい辛いと感じたのは、私自身が単純作業に集中できず、ミスをすることがあったからです。
一緒に働く人にも迷惑をかけますし、強いストレスを感じていました。
しばらくして製造職を任され、単純作業から抜け出すことができ、ストレスから開放されました。
あのまま単純作業を続けていたら、いずれは退職していた可能性も考えられます。
辛いとき④：怪我をする
怪我をすることにより、工場勤務を辛いと思うときがありました。
あらい私は清掃中に機械に指を挟み、爪をはがした経験があります。
私は爪をはがしただけで済みましたが、知人から聞く話では、もっとひどい怪我を負った人の話もときどき耳に入ることがありました。
安全管理がしっかりしている工場が増えましたが、それでも事故を100%防ぐことは難しいと考えています。
辛いとき⑤：夜勤がある
工場勤務が辛いと感じる理由に、夜勤があります。
夜勤により生活リズムが乱され、体調を崩したり、怪我をする場合があるからです。
とくに2交代制の場合、夜勤の勤務時間が長いため、より生活リズムが乱れると考えています。
24時間稼働の工場へ転職や就職する際には、夜勤があることに十分留意してください。
この章では「工場勤務が辛いとき」についてお伝えしました。
つづいては「工場勤務に関するよくある質問」について解説します。
工場勤務に関するよくある質問
まとめ：工場勤務の業務とは？工場勤務のイメージや向いている人、メリットを解説
この記事では工場勤務の業務内容や工場勤務のイメージ、工場勤務に向いている人、工場勤務のメリットについてお伝えしました。
工場勤務は誰にでも向いている仕事とは言えません。
どんな仕事にも言えますが、工場にもメリットだけでなくデメリット（辛いこと）があります。
この記事が工場の実態を知る、一助になれば幸いです。
以下に当記事をまとめます。
工場勤務の業務は、おもに次の9つです。
- 製造
- 検品
- 梱包
- ピッキング
- 運搬
- 清掃洗浄
- 設計開発
- 設備管理
- 事務
それぞれの業務に関して、詳しくは工場勤務の業務内容9つ（記事内リンク）をご覧ください。
工場勤務のイメージには、次の6つがあります。
- イメージ①：工場勤務は末路
- イメージ②：工場勤務は底辺
- イメージ③：工場勤務は地獄
- イメージ④：工場勤務は終わってる
- イメージ⑤：工場を辞める人が多い
- イメージ⑥：工場に転職した結果
工場勤務のイメージに関して、詳しくは工場勤務のイメージ6つ（記事内リンク）をご覧ください。
工場勤務に向いている人は、次の人です。
- 単純作業への耐性がある人
- 集中して作業に取り組める人
- 体力がある人
工場勤務に向いている人に関して、詳しくは工場勤務に向いている人3選（記事内リンク）をご覧ください。
工場勤務のメリットは次の5つです。
- メリット①：専門知識や専門スキルが身につく
- メリット②：残業が少ないため時間を有効活用できる
- メリット③：モノを造る喜びを味わえる
- メリット④：転職しやすい
- メリット⑤：貯蓄しやすい
工場勤務のメリットに関して、詳しくは工場勤務のメリット5つ（記事内リンク）をご覧ください。
工場勤務が辛いときは、次のようなときです。
- 辛いとき①：専門知識や専門技術を身につけられない
- 辛いとき②：体力を必要とする業務がある
- 辛いとき③：単純作業がある
- 辛いとき④：怪我をする
- 辛いとき⑤：夜勤がある
工場勤務が辛いときに関して、詳しくは工場勤務が辛いとき5つ（記事内リンク）をご覧ください。
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